オフサイトミーティングは、普段の職場を離れて、集中した議論やチームビルディングを行うことができる良い機会です。
しかし、準備不足や当日の進行の曖昧さなどから、失敗に終わってしまうことも…。本記事では、オフサイトミーティングを成功に導くための進め方のポイントやコンテンツ例をご紹介します。
そもそも、オフサイトミーティングって?
「オフサイトミーティング(off-site meeting)」はアメリカの企業文化から広まったと言われていて、英語の「off-site:職場や現場を離れた場所」と「meeting」を組み合わせて生まれた言葉です。
職場を離れた場所で議論を行うことにより、日常のルーティンやプレッシャーから解放され、よりオープンで建設的な議論ができるという考えに基づいています。
特に経営層の戦略会議や、チームビルディング、クリエイティブなブレインストーミングなどに活用されてきましたが、近年はそのバリエーションも広がっています。
失敗しないためのポイント〜事前準備編〜
オフサイトミーティングを成功に導くには、入念な事前準備が欠かせません。4つのポイントをみていきましょう。
目的、ゴールを設定する
まずは柱となる目的、ゴールの設定から準備をスタートしましょう。開催を通じてどんな状態を目指したいのか、しっかりと言語化することがポイントです。そして具体的に計画を進めるにあたって判断に迷うことなどがあれば、目的に立ち返るって考えるようにしましょう。
逆算してスケジュールを立てる
最終的な目標や研修の実施日を設定し、それに向けて必要な準備やステップを洗い出してスケジュールを立てましょう。
その際、各タスクの締め切りをはっきりさせ、余裕を持ったスケジュール管理を心がけることがポイント。また、定期的に進行を確認しながら、計画通りに進んでいるかを確認・修正することも忘れずに。
オフサイトミーティングは大きなイベントです。逆算方式で計画を立てることが、スムーズな進行につながります。
参考:研修合宿やオフサイトミーティングの費用、どう決めたら良い? 必要予算、段取りを紹介【手配のプロに聞く】
役割分担をする
オフサイトミーティングや研修合宿で役割分担を適切に行うことは、効率的かつ円滑な運営に不可欠です。
各メンバーのスキルや強みを考慮して、役割を決めていきましょう。人それぞれ得意な分野が異なるため、その強みを活かせる役割を与えることで、より高い成果が期待できます。
(例: コミュニケーションが得意な人をファシリテーターに、技術的なスキルがある人をプレゼンテーションやデモの担当にするなど)
また、各役割にどのような責任が伴うのかを明確に定義することも重要。責任が曖昧だと、作業が進まず、混乱やミスが発生しやすくなります。明確な期待を設定し、共有しながら進めていきましょう。
目的に合った場所を選ぶ
オフサイトミーティングは、会議室やホテルなどさまざまな施設で実施できますが、目的や参加者のアクセス、設備環境、予算などを総合的に鑑みて場所を選びましょう。
またその際、可能であれば事前の下見をすることもおすすめ。会場までの交通手段やインターネットやプロジェクターなどの設備が整っているかなどは事前にチェックしておきましょう。
参考:企業の研修合宿にぴったり!おすすめの「人気宿泊施設」10選
失敗しないためのポイント〜当日編〜
目的・ゴールの再確認
当日、まずはじめに目的を再確認することで、参加者全員が同じ方向を向いて取り組むことができます。特にオフサイトミーティングは、通常の業務から離れた環境で行われるため、参加者の気持ちがリフレッシュされている一方、集中力も欠けがちです。目的を共有することで参加者の目線が揃い、一体感が生まれやすくなります。
話しやすい雰囲気づくり
ファシリテーターやチームリーダーが中心となり、全員が発言しやすい雰囲気を作りましょう。話しやすい雰囲気があれば、参加者は自分の意見やアイデアを気兼ねなく発言できるようになります。
“批判はしない”、“相手の考えに耳を傾ける”、“間違ってもいいから積極的に発言しよう”など、参加者に事前にルールを伝えるのも一つの手です。
進行担当者は、特定のメンバーに発言が偏らないよう心がけ、フラットで活発な対話を促していきましょう。
タイムマネジメント
オフサイトミーティングや研修では、限られた時間内に多くの議題やタスクをこなさなければなりません。タイムマネジメントを徹底することで、時間の無駄を省き、効率よく議論を進めることができます。
逆に無計画な進行だと、重要な議題に十分な時間が取れなかったり、長時間のミーティングで参加者が疲れてしまう可能性も。進行役とは別にタイムキーパーを設定し、時間が予定通りに進んでいるかをチェックするのも良いでしょう。
柔軟な進行
予想外のアイデアや問題が出てくることもあるでしょう。そんな時はあわてず、状況に応じてアジェンダを調整し、柔軟に対応しましょう。予定通りに進めることも大事ですが、重要なポイントは深く掘り下げる柔軟性も必要です。
また万が一、予想外の問題が発生した場合にも、余裕を持って対応できるようにするために、あらかじめ予備の時間を確保しておくことも重要です。
参考:企業合宿で参加者の満足度を上げるには?「ワクワク」を生み出す仕掛けづくり
タイムスケジュールの例〜1泊2日の場合〜
一般的な1泊2日のオフサイトミーティングのタイムスケジュールをご紹介します。セッションの合間に休憩を入れたり、振り返りの時間を設けたりなど、参加者が飽きずに集中力を保てるようなスケジューリングを心がけましょう。
■1日目
9:30 – 集合・移動|オフィスや指定の集合場所からオフサイトの会場へ移動。
11:00 – 到着・チェックイン|会場に到着後、宿泊施設のチェックインと軽い休憩。
11:30 – オープニングセッション|ミーティングの目的、ゴールを確認し、1泊2日の全体スケジュールを共有。アイスブレイクや軽いチームビルディング活動。
12:30 – ランチ
13:30 – メインセッション1(課題の共有と分析)|会社やプロジェクトの課題やテーマについて議論。目標設定や課題の洗い出しを行う。
15:30 – 休憩
16:00 – メインセッション2(ブレインストーミング)|グループに分かれてアイデアを深掘りし、各グループの意見を発表。フィードバックをもらいながらディスカッションを進める。
18:00 – ディナー・リフレッシュ|食事をしながらリラックス。カジュアルな会話や交流を通してチームの結束を強める。
20:00 – 夜のアクティビティ(チームビルディング)|懇親会やゲーム、ワークショップなど、メンバー同士の交流を深めるアクティビティを企画し、親睦を深める。
22:00 – 自由時間・就寝
2日目
8:00 – 朝食
9:00 – リフレクションセッション|前日の内容を振り返り、気づきやアイデアをまとめる。新しい視点や解決策について考察。
10:00 – メインセッション3(アクションプラン作成)|議論を基に具体的なアクションプランを作成。各メンバーの役割や次のステップを決定。
12:00 – ランチ
13:00 – 最終セッション(共有とまとめ)|アクションプランや結論を全体で共有し、今後のフォローアップについて確認。
14:30 – チェックアウト・帰路へ(周辺観光など)
16:00 – 解散
入念な事前準備と「柔軟性」が大切
オフサイトミーティングを成功に導くには、事前準備をしっかりと行い、当日は目的に沿いつつ柔軟な対応ができる余白をつくっておくことも大切です。また、開催後は振り返りや定期的なフォローアップも行いましょう。
充実したオフサイトミーティングを通して、組織力向上につなげてみてはいかがでしょうか。